オキナエビスガイ- オキナエビスガイ科 -

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オキナエビスガイ写真1
分布
オキナエビスガイは日本国内では房総半島、相模湾から伊豆諸島までに生息しています。
珍しさ
★★☆☆☆
オキナエビスガイ写真2
その他の名称
翁戎貝、長者貝
英名:[Beyrich's Slit Shell]
学名:[Mikadotrochus beyrichii]
大きさ
殻高:約80mm
特徴
オキナエビスガイは単にオキナエビスとも呼ばれる事もある巻き貝で、生息域は水深200~300mまでの岩礁底で、深海の中では最も浅い所に住む、深海貝となっています。

オキナエビスガイの貝殻は円錐形で厚みがあり、殻口の外側の縁には成長と共に跡を残しながら、動物体によって埋められていく浅い切れ込みが見られます。
貝殻の表面の色は白色~淡い黄白色の地の上に紅色またはオレンジ色の縞模様があり、貝殻の表面のほぼ全体に顆粒状の螺肋があります。また、殻口内と軸の部分は真珠光沢となっています。

オキナエビスガイは4億年以上前から現在まで栄えてきた生きた化石と言われている種で、現在の巻貝の多くは動物体が左右対称でなくなっている事に対して、オキナエビスガイは左右対称となっていた頃の原子的な貝の特徴を多く持っています。

尚、オキナエビスガイは1877年に新種として発表された当時、イギリスの大英博物館が一個100ドルで採集を依頼し、その価格が当時としてはかなり高額であった事から採集を任された青木熊吉(あおきくまきち)が貝を釣り上げた際に「まるで長者になったようだ」との言葉を残した事から、チョウジャガイ(長者貝)と言う別名が生まれた事でも知られています。